正しい解へ導けるように、
プロとしてのスキルを磨き、
経験を積む。

私の担当業務は、電子顕微鏡を道具として、さまざまな研究を支援することです。学生時代は、企業と共同研究を進行する先生の下で、新しいメッキ技術の研究と開発に携わっていました。
当時から電子顕微鏡は扱っており、いろんな分析装置も使っていましたが、学生の段階では基礎的な使い方を経験しただけに過ぎません。入社してからは自分の担当する電子顕微鏡の技術を極めることに一心に取り組んできました。
電子顕微鏡は、視覚で情報を確認するため、わかりやすく結果を示しやすい装置です。ただし、見るだけで判明することは限られています。そもそも、ひとつの分析装置だけで正解に辿り着くことはなかなか難しいものです。
電子顕微鏡から得た結果だけでは正しい解を示すことが難しく、他の分析が必要な場合は、別の装置を扱う仲間と協力して議論しながら進めていくことが求められます。そのため、他の分析手法についても幅広く理解している必要があり、知識を蓄える努力は欠かせません。
また、電子顕微鏡自体も日々進化しており、可能なことがどんどん増えています。それに従って必要なスキルも増えていくので、研鑽の日々です。

研究者の依頼の
本質をつかめば、
やるべきことが見えてくる。

私たちの業務で何より大切なことは、研究者から持ち込まれる分析の本質を理解することです。「どうして知りたいか」を突き詰め、研究者が求めていることがきちんとつかめていれば、やるべきことはおのずとわかります。分析の手順はもちろん、観察の必要性や他の分析手法で試してみる必要性など、ゴールに向けた一連の作業を提案することができるようになります。
入社当初は、何を求められているのかわからなくても当然だと思います。誰もが最初は、上司とともに研究者との打ち合わせの席につき、前処理の指示を受けて、必要な分析を試してみることからスタートするのではないでしょうか。数年間の経験を積むことで、だんだん依頼の本質を理解できるようになり、判断力もついてきて、仕事をまかせてもらえるようになります。まずは、地道に経験を積んでいくことに専念することです。
分析自体は本来、アウトソーシングも可能です。あえて研究所内に分析の部署を備えているのは、情報の積み重ねを共有できる技術者が求められているからだと理解しています。装置を扱えることは大前提。その上で、スペシャリストとして、研究における自分の役割を理解できていることが、技術職にはとても大切だと思います。

分析のプロとして、
研究者とともにモノづくりに関わる。

業務の上で気をつけていることは、必ず信頼性のあるデータを示すことです。たとえば、分析結果を写真で提供する場合に、トリミング次第では結果の受けとめ方を変えてしまう恐れがあります。依頼の目的をきちんと捉え、正しい分析結果を提供することが、私たちの使命です。
正しい結果を導き出すには、分析の前処理も大切なポイントです。試料の断面を見る場合、切るのか磨くのかなどの判断は、材料に関する基礎知識が頼りです。入社して10年以上、電子顕微鏡を扱ってきましたが、打ち合わせの時点で材料についての理解が足りないと、提案や助言をすることができません。研究者と同等な知識量を持つことは難しくても、それに近い知識がなければ、お互いプロフェッショナルとしての会話は成立しないと心に留めています。
私の目標は、「この分析ならあの人」と、言われるような分析に特化した技術者になること。しかし、同じ技術職でも、研究室に移って研究に従事する技術者もおり、道はひとつではありません。どんな技術者にも共通するやりがいは、きっとひとつ。いつかモノや製品につながる可能性がある研究に携われるということではないでしょうか。

1日のスケジュール

入社した当初は、研究所近くの社員寮から通勤。県外からの入社だったが、同期も入寮しており心強かった。その頃は遅くまで仕事をすることもあったが、結婚して寮を出た現在は、早めの帰宅を心掛ける。職場全体が、「限られた時間の中で高い成果を生み出す」ことを推奨しており、自分で仕事の進め方を調整できる。

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