敷地内の建築・設備全般の保全・管理・改修・更新などを担当する部署に所属しています。建物の外壁や防水を定期的に補修・更新したり、構内道路を改修したりする保守保全作業から、研究者の依頼を受けて行う実験装置の設置・入れ替えや、レイアウト変更などの工事の段取りに至るまで、幅広い業務に関わります。社内のインフラ関係をすべて担うため、高い専門性が求められる仕事です。
業務に必要とされる知識は、建築・土木・電気・衛生・空調など、多岐に渡ります。環境都市工学科を卒業した私は、建築・土木分野に特化して専門性を磨いていくことをめざしていますが、一通りの業務を担当できるように仕事を配分してもらい、経験を重ねています。今年で10年目を迎えても、まだまだ知らないことが多く、勉強の日々です。
業務を行う上で、ルールに基づいて設計・工事を進めることは大前提です。また、のちのちのことを考えて、図面などで正確な工事履歴を残しておくことも欠かせません。
研究室に新しい装置を導入する際には、研究者、調達担当、私たち施設担当、装置メーカーで入念に事前の打ち合わせを行います。私たちが担当する部分はユーティリティーの保障。要求スペックを基にユーティリティーを整備し、実験装置などを備えつける時に問題が起こらないように、お互いの理解をすり合わせていきます。
その際、トラブルが発生する危険はないのかなど、すべてのリスクを想定できるだけの経験、専門知識が求められます。しっかり計画を立て、リスクを想定し、念入りに対処していく。それが、我々の業務の要だと思っています。
工事を行う際は、要求スペックから必要なユーティリティーをまとめ、工事計画図面を描き、施工業者に見積もりを依頼しています。最近は、これまでの工事履歴を元に、建築更新計画の立案もしています。休日しか出来ない工事の対応のため、週末や長期連休に休日出勤しなければならないこともありますが、日々、自分の知識と経験を積み重ねていける仕事なので、やりがいがあります。また、常に新しい発見や驚きを得られる仕事に従事できているという満足感を得ながら業務に取り組んでいます。今後の課題は、敷地の隅々まで精通しているベテランの方の知識を、どれだけ吸収できるか。まだまだ知らないことばかりで、細かい情報は図面や現場を見ただけではわかりません。実際に工事を担当し、知らないことに気づくことも多いんです。ひとつずつ現場で吸収していくしかないと、地道に歩んでいくつもりです。