事務系総合職座談会  より良い研究成果を生み出す組織をめざして編

上田 麻記子
要素研究企画・推進室
英文学科
近藤 朋香
研究推進部 連携推進室 連携2グループ
英語科
中島 健介
人材開発部 グローバル推進室
理学系研究科 生命理学専攻
大瀬 佳之
知的財産部 知財統括室 知財戦略グループ
総合文化研究科 広域化学専攻
新藤 裕史
安全・調達・インフラ部 ITインフラ室 
情報システムグループ
情報学部 情報科学科

豊田中央研究所での研究活動は、研究者だけで成り立つものではありません。
事務系総合職が研究環境を整え、生まれた成果を世の中のニーズとつなげるなど、

研究所を運営する上での大きな役割を担っています。
ここでは、担当業務の異なる5人が集結。それぞれの役割とやりがいをご紹介します。

研究部門と運営部門という
両輪をスムーズに回すために。

本日集まったメンバーは、所属も業務も異なるので、それぞれの業務を紹介することから始めましょう。

上田
私が所属する要素研究企画・推進室は、研究部門と運営部門の中間に位置するような部署になります。研究部との接点が強い一方で、運営部門にも近い立場ですね。研究が効率的に進むように、各部門を中継する役目を果たしています。また、研究部に対しては、統括部署として、将来の研究計画の立案や、研究活動を円滑に進められるようなサポートを行っています。
近藤
私の所属する研究推進部では、会社として取り組む研究の年間計画に従って、研究の予算やアウトプットなどの予実管理を主に行っています。その中でも私のいる連携推進室では、研究所で生み出された新しい技術をトヨタグループ各社に活用いただけるように営業活動を展開しています。その活動の具体的な例の一つとして、トヨタグループ各社を対象とした研究発表会の企画・運営の業務があります。毎年、どのような発表や展示をするか、企画から当日の運営まで幅広く担当していて、トヨタグループの方々と関わる機会も多くあります。
中島
私が所属する人材開発部は、採用や育成、人事考課など人に関わる業務を行っています。中でも、私のいるグローバル推進室では、海外やトヨタグループ各社など、研究所から外に出て働く従業員をサポートする業務を担っています。また、当研究所の枠を超えてどんどん活躍してもらうため、国内外の研究機関への派遣計画などにも携わっています。
大瀬
私は、知的財産部の知財統括室に所属しています。主な担当業務は、研究者が生み出したアイデアなど成果の特許出願や取得になります。さらに、トヨタグループ各社へのライセンス業務も担当しています。
新藤
私は、ITインフラ室の情報システムグループでIT系のインフラ整備を担当しており、社内の基幹系・業務系システムやネットワーク構築などの環境整備に取り組んでいます。近年は、セキュリティ対策にも力を入れています。ITインフラ室には、その他に研究系の科学技術系計算システム(CAEシステムなど)を担当する部署もあれば、昨今の働き方改革に対応した新しいIT環境を整えている部署もあります。

業務によって異なる
「私たちのお客様とは誰か」。

事務系総合職といっても様々な仕事があることがわかりましたが、皆さんにとっての「お客様」とは、どのような方なのでしょうか。

新藤
そうですね、私の携わるITインフラに関しては、研究所全員が滞りなく仕事に取り組めるように環境を整備していく必要があります。その上で、いかに社内の皆さんとコミュニケーションを図って情報を拾っていくかが大切です。私にとってのお客様は、研究所の全従業員というイメージです。
上田
要素研究企画・推進室の場合は、「研究部門と運営部門の両方がお客様」ですね。研究者が個人的な興味で研究に取り組むのではなく、会社としてトヨタグループのメリットにつながる研究、ひいては世の中に広く貢献する研究ができるように、研究部門と運営部門とを繋いでいきたいと思っています。
近藤
連携推進室の担当者としては、研究部門とトヨタグループの両方がお客様になります。でも、会社における位置づけとして、研究所の営業窓口の役割を担っていますので、やはり第一にトヨタグループが私たちの「お客様」になりますね。

中島
グローバル推進室の場合は、お客様は研究所全体であり、トヨタグループでもあり・・・。ただ、当研究所の皆さんには、もっと積極的に外に出て活躍してほしいと思っているので、「外へ出て挑戦してみようとする人たちがお客様で、外で挑戦してみようとする気持ちを応援する立場」ですね。
大瀬
知財統括室の場合は、連携推進室と同じで「研究部門とグループ企業がお客様」ですね。当研究所で生まれた知的財産を活用していただけるように働きかけていく仕事ですから、両方です。
上田
それぞれが見つめる対象は違っても、最終的な目的は一緒ですね。研究を効率良く進められる環境を整え、いかに成果を最大化していくか、という一点を皆が見つめています。

それぞれの専門性を活かして
研究所の運営と発展に貢献する。

大瀬さんや、新藤さんの業務は専門性も必要ですね。

中島
大瀬さんは、以前メーカーの社内弁理士としても活躍されていたのですよね。メーカーにおける知財業務との違いは感じられますか?
大瀬
当研究所の場合、アウトプットが製品ではないので、かなり独特だと言って良いでしょうね。知的財産部の主な業務は、研究成果を最終的な知的財産権としてカタチにする工程ですが、さらに上流の研究計画に対しても知財部門の見地から意見や情報を発信していく必要性を感じています。最近は、研究者と一緒に知財戦略を考えていく知財マネジメントの取り組みをはじめました。これから取り組みを強化していく計画です。
 

中島
最近、社内のITインフラが整備されてきたという実感があります。新藤さん達の取り組みの成果でしょうか?
新藤
私たちITインフラ室は、現在、運営部門の各部署が管理している情報を集めて統合化していこうと取り組んでいます。業務に関する情報を一元化することで、運営部門内での情報共有の促進や、業務効率化を目指しています。

上田
今だと、他部署のデータを利用したい時などには、各部署にデータの提供を依頼してから必要なデータが手元に届くまで3日ほど時間がかかりますしね・・・。その新しいシステムが確立すれば、ぐんと効率が上がりますね!
近藤
新藤さんとは、データベースの構築を介して関わった際に、「会社全体の業務を理解していないとできない業務をされている・・・」とわかって、“すごい!” と思ってしまいました。

世界トップレベルの研究所を支える
世界トップレベルの運営部門へ。

みなさんの仕事への「想い」を聞かせてください。

中島
現在、自動車業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、グループ各社の当研究所への期待も大きくなってきていると感じます。当社は研究所ですので、研究者さえいれば研究ができるように見えるかもしれません。けれども実際はそうではなくて、優れた研究成果を生み出すための制度や環境を整えたり、研究成果の価値を高めて最大限に活用したり、会社が成長するためになくてはならない仕事は沢山あります。ですので、研究者だけでなく事務系総合職の人も、所内外で色々と勉強して、学びや気づきを所内に還元してほしいですし、私もいつかは海外勤務で知見を広げたいと思っています。
近藤
研究推進部は、講演会などを通じて外の世界、つまり日本全体や世界では今ここまで進んでいるという新鮮な情報に触れられる環境にあります。常に、「もっと外に目を向けて、問題意識を強く持って業務に当たらなければ」と、危機感を持って働いています。どんどん情報を発信して、皆さんが今まで以上に視野を広げて日々の業務に取り組んでいけるように、さまざまな企画を進めたいと思っています。

上田
私のように研究部に近い部署で働いていると、研究部門内でもコミュニケーションが足りていないと感じることがあります。ですから、まずは所内で、普段の業務で接しない人たちと接することができるようなネットワーキングの仕組みをつくっていきたいと思っています。社外で働いた経験のある人が社内に発信を続け、活性化が進むような循環が理想ですね。
大瀬
当社の場合、製造企業のように具体的に売る製品というものがありません。大学の基礎研究のような、出口のイメージが難しい技術も多い。ですから、知財マネジメントにもっと力を入れて、創り出した技術を最大限に活かせる仕組みや仕掛けを構築していけたらと思います。
そのために、人材も育てていけるとよいですね。弁理士の資格などは、入社してから取得することも可能ですし、何事に対しても勉強することには理解のある職場だと思っています。

新藤
私が所属するITを扱う部署でも、IT系の資格が必要というわけではありません。技術の習得はもちろん重要ですが、変化が激しい外部の情報をキャッチしていく姿勢が必要となる仕事です。やる気さえあれば、若い人でもどんどん挑戦し、活躍していける環境です。私も、常に新しい情報にアンテナを張り、若い方に負けないよう挑戦していきたいと思います。
中島
豊田中央研究所は今、世界トップレベルの研究所をめざして、変革の真っ最中です。私たち事務系総合職も、世界トップレベルの研究所運営を目指していきましょう!

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