複数の企業と連携し、
人とロボットが一緒に作業できる
安全な工場を実現する。

トヨタグループの複数の企業と協力しながら、スマート工場の関連プロジェクトに取り組んでいます。センサー技術に多く用いられている赤外線は、障害物があると反応しなかったり、黒い服装だと反応しにくかったりといった課題がありました。豊田中央研究所で開発した新しいセンサー技術を使ってこれらの課題をクリアすることで、人とロボットが同じエリアで作業できる安全な工場の実現が期待されています。
現在は新しいセンサーによる実験を繰り返し、今後のステップに必要となるさまざまなデータを蓄積しています。実験に使う基板の作製や「Arduino」「python」などを利用したプログラミングも実施しています。実験を続けながら資格所得のチャレンジも進め、2023年に第3種電気主任技術者資格を得ることができました。
グループ企業と連携をとって業務を行うため、豊田中央研究所以外の現場を見ることができるのが仕事の醍醐味。実験メインなので自身の手を動かして日々の業務を行い、実際に人が近づくと、センサーの出力が変化することを確認できることにもおもしろさを感じています。

高等専門学校で学んだ知識が、
基板作製や実験などの
あらゆるシーンで活かされている。

クルマとプラモデルが好きな父の影響でモノづくりに興味を持ち、高等専門学校の電気電子工学科に進みました。クラスのメンバーが5年間同じだったのですごく仲良くなり、部活動で取り組んだバスケも強豪校だったため精神力が磨かれました。高等専門学校では電子回路、電磁気、制御、プログラミング、数学、物理などを広く学べました。
豊田中央研究所は先生の勧めで知りました。自動車業界への就職を目指していましたし、研究所からの求人は他になかったので興味を持ちました。その時に注目していたジャイロセンサーの研究ができたらという期待もありました。
これまでの担当業務では、高等専門学校で学んだ知識があらゆるシーンで活かされています。基板作製や実験のように実際に手を動かす作業だけでなく、数学の知識やプログラミング技術を駆使した回路設計にも取り組んでいます。高等専門学校にて電気電子工学の基礎を幅広く学んでいたおかげで、様々な観点から研究に挑戦することができています。

一連の業務を自分の力で
進めていける力をつけ、
世の中に貢献していきたい。

私が取り組んでいるプロジェクトの肝となる新しいセンサー技術は、豊田中央研究所が考案したものでした。しかし、10年以上活用されずに眠っていた技術だったのです。上司がその可能性に目をつけ、プロジェクトが新たに立ち上がったというストーリーに惹かれました。
このプロジェクトに取り組む前は自動車分野の電磁界シミュレーションに携わっていたのですが、その時に身につけた電磁界理論や数理モデリングの知識も今につながっています。
シミュレーションは学生時代に経験したことがない領域だったので、ゼロの状態から仕事の現場で学んでいきました。はじめはシミュレーション結果がどんな状態を示しているのかが全くわからず、1年ほどは必死でした。しだいに結果を読み解く力が付き、オンライン開催されたグループ各社への研究発表会の重要テーマとして取り組みを発表することができました。
入社してしばらくはできることが少なく、力不足を感じるかもしれません。でも、上司や同僚に支えてもらいながら業務を遂行していくことが大切です。多彩な技術を持った方がいる研究所なので、他分野の専門家から学ぶことで自分の武器が増えていくと思います。
今後は図面の設計から実験結果のまとめ、考察、次の実験計画までの一連の流れを自分1人の力で進めていける力をつけ、世の中に貢献できる技術を発信していきたいです。

ある日のスケジュール

中長期的な計画を立てて研究業務を実施しているため、プライベートの予定を立てやすいのが魅力。年次有給休暇も取りやすい雰囲気があり、福利厚生も充実している。

※記事の内容は取材当時のものです。

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