素晴らしい技術を
より多くの人に
利用してもらうために。

大学時代の研究が楽しくて、そのまま研究職を続けたいという思いから当研究所を志望しました。自動車は、膨大な数の部品から構成され、さまざまな分野の技術が結集していることから、その技術開発に関わりたいという思いも動機になっています。当時から、5年先、10年先にカタチになる技術をめざしたいという志は変わっていません。
大学の研究生活との違いは、研究目的がトヨタグループもしくは社会への貢献である点です。仕事ですから、自分の好きな研究だけを進めるわけにはいきません。その代わり、将来的に社会や自動車に役立てられる可能性があり、会社の方針や条件に沿う方向性であれば、独自の研究テーマを設定して提案し、研究に専念できる道が用意されています。
将来的に、自分が研究者として関わった技術が自動車に搭載され、世の中の人がそれを喜んでくれる可能性があるということは、大きなモチベーションになっています。どんなに素晴らしい技術でも、多くの人に使ってもらえなくては、もったいないですよね。私が研究でめざしているのも、特別な技術として最高級車に搭載するのではなく、より小型化、軽量化、低コスト化を経て、一般的に普及させることです。

※記事の内容は取材当時のものです。

狙うは、世界初。
レーザレーダ研究の
最先端を競う。

現在は、自動車の衝突予防システムの進化をめざしてソフトとハード両方の研究を進めています。ソフトではレーザレーダの信号処理・制御に関わる研究を進めています。より精密な情報を取得できるセンサをめざし、その受信信号の処理に関わるアルゴリズムや、レーザレーダを駆動して信号を取得するための制御プログラムを担当しています。ハードでは次世代のレーザレーダに期待される、小型化・低コスト化を実現するために、光集積回路の研究を進めています。
車の自動運転化に役立てられるレベルを想定してはいますが、実現までの道のりには乗り越えなければならない多くの課題があります。レーザレーダで一番大事なポイントは、情報を取得するセンサであると考えており、センサの課題をクリアすること自体が、私のモチベーションになっています。今、光集積チップだけで何メートル先まで検出できるか、世界中の研究者が競っています。私にも、世界初を狙っていきたいという思いがあります。
光集積回路の試作には高額な研究費を要するため、プレッシャーは常に感じています。装置を用いて試作回路を評価する際、期待した結果が得られると、喜びと同時にホッとします。研究に行き詰まっても研究室は明るい雰囲気で、相談や議論のしやすい環境であることには助けられています。

海外留学制度を利用し、
センサ技術の進んだ北米の大学へ。

今年から2年間、海外留学制度を利用して、北米の大学で客員研究員として学ぶことになりました。北米は、世界でも光集積回路の分野が進歩しており、集積回路をつくるファブリケーション技術も一歩先を走っているため、研究のスムーズな進捗が見込めると考えてのことです。
留学先との交渉は、論文などを通して、この分野に関して最先端を学べる大学を探して絞り込み、自分で直接話して進めてきました。その後の契約内容や交渉などは、運営部門の担当の方におまかせしてあります。もうすぐ出発なので、社内の引き継ぎに追われている最中です。
今後の抱負は、どんな車にも搭載できるような自動運転センサの実現です。すべての車が自動運転化できれば、心を痛めるような交通事故を減少させることができるかもしれない。そんな意識で研究に臨んでいます。
技術は、アピールして競っているだけでは意味がありません。最先端の技術を、これから走る車の多くに搭載できるようなカタチで商品化することが、研究の最終的なゴール。
「自分の技術を乗せた車が走っているのを見たい」「車に革命を起こしたい」という思いがある方、ぜひ一緒に仕事しましょう!

ある日のスケジュール

グループ企業の北米拠点と共同研究を進めているため、月に1回ほどのペースで早朝にTV会議をおこなう。これまで年2、3回は海外出張で直接訪問して打ち合わせを重ねてきた。業務外では、社内の写真部に所属しており、海外留学先の北米でも風景の撮影を楽しみにしている。カメラの荷造りは済み、すでに海を渡っている。

※記事の内容は取材当時のものです。

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